ある日の会話です。

青木さん(仮名):「どうしても上手くいかないんですが、コードを見てもらえますか?」

講師:「青木さんは、何をどう表示させたいのですか?」

青木さん:「この表を右に表示させたいんですが、グリッド(自動的に配置を調整してくれる仕組み)が効かずに、表が下に表示されるのですが、どうしたらいいでしょうか?」

講師:「『要素の検証』(描いたコードの効果の確認手段)を開きますね。えっと、右の要素の範囲は正常ですが、左の表の範囲は右まで覆ってますね。これは普通は起こらないですね。コードを確認させてください。うーん、一見、内容は間違っているとは思わないですね。どこが間違っているんでしょうね。一つづつ見ていきましょう。あれ、3行目のこのコードで範囲がいびつになりますよ。ここのコードをもう一度見てみましょう。わかった。閉じタグが抜けていますよ。ここに閉じタグを入れると直りませんか?」

IMG_3298

青木さん:「あっ、やっと直った。ここで1時間も悩んでいたんですよ。ありがとうございます。」

講師:「青木さんのコードの内容は問題ないですが、インデント(コードの始まりと終わりを揃えて、コードを見やすくする工夫)を揃えてくださいね。これが揃っていないと、ミスが多くなりますよ。それと、間違いを見つける時はまず「要素の検証」を確認し、一つ一つ検証していきましょう。今回は、「要素の検証」で問題箇所を徐々に絞り込み、そこから仮説を設定し、実際のコードを確認しました。このように確認すれば、ミスが発見しやすいですよ。頑張って下さい。」

青木さんは、早速、ノートに自分の間違い箇所と解決法をメモしました。ノートは既に2冊目です。青木さんは、小さな間違いもメモし、それを繰り返さないように気をつけています。最初はつまずいてばかりで記録する量も多かったのですが、徐々に今はその量は減っていきました。成長の証です。

「自分がわからないところは、まずはGoogleで問題の解決法を検索して調べます。何度も試し、それでもできないことが沢山ありますが、その時は苦しいです。検索で得た解決が正しいと思い込んで試したところ、間違っていたケースもあり、Googleの情報が正しい理解を歪めることもありました。どの情報が自分に合っているのかを判断する基準を持っていなかったのです。その際、最も理解が進むのが対面での講師への質問です。分かるまで何度も質問します。その解決記録がこのノートです。」と誇らしげな青木さん。

IMG_3299

「自分の誤りからしか、学べない」と青木さんは言います。「自分が感じた苦しみは、感覚が覚えているんです。だから、同じ問題に直面した時にすぐに思い出せます。最初は、失敗の数は多いでしょうが、それだけ失敗と解決が記録されます。問題に直面した時にはこの解決法を試し、それが難しければGoogleや講師を頼ります。時を追うごとに徐々に解決の幅が広がり、独力で解決する力が身についてきました。分かったことは、「手を動かしコードを書く経験からしか自分の問題意識は生まれない」、「苦労して得られた解決は参考書や講義よりも説得力がある」ということです。

生徒さんの中には、講義をリクエストされる方もいます。しかし、ITブートキャンプでは、自己学習方式にこだわっています。失敗の経験から得られた学びが最もみなさんの財産になると信じているからです。今後、みなさんは本や講義では教えてくれない、些細な、しかも解き難いレベルの問題に幾度となく遭遇します。この解決は、みなさんの失敗と克服の経験からしか身につかないものです。ですから、石垣島ITブートキャンプでは、「聞くこと」よりも、「読むこと」よりも「手を動かす」ことに時間を使ってもらいます。どんどん失敗してください。失敗しても、みなさんのすぐそばには講師やサポートがいます。そして、失敗とその解決を記録しましょう。何ものにも代えがたい、みなさんだけの参考書ができ、後に大きな支えとなってくれるはずです。